【業種別の商圏距離付き】商圏距離は業種で変わる!ターゲットを見極めて範囲を決めよう

エリアマーケティング
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エリアマーケティングに欠かせない「商圏距離」の設定方法は、自店舗の業種や営業形態によって全く異なります。地図を開き、ざっくりとした距離を決めるだけでは、出店後の売上、またエリアマーケティングの施策で対象地域からの売上を確保することは難しいでしょう。

商圏距離を見極めるのに重要なポイントは「自店舗にどんな人物が訪れるのか」というターゲット層を明確にして、戦略的にエリアマーケティング・販売促進施策を実施すること。とはいえ、業種ごとにそのターゲットや商圏距離は変わってきますよね。

そこで今回は、4つの業種について想定されるターゲット層と商圏距離の設定の基準について解説します。

商圏距離の考え方

商圏距離は、「商圏=自店舗を利用する顧客が存在する範囲」「その距離」を表したもの。
商圏距離を決める方法はさまざまですが、
商圏距離の主な基準は「店舗を中心とした半径距離」と「利用者の移動時間」です。

設定した距離に対して、障害物となる幹線道路や競合施設の存在を加味して線で囲んだ範囲が自店舗の商圏となります。その距離や移動時間を考慮された商圏を設定しているかどうかで、出店後の集客のしやすさに大きく影響してくるでしょう。

商圏の種類や設定基準については以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

商圏には種類がある!特徴を知って商圏設定の精度を高めよう
エリアマーケティングの一環として、商圏調査のときに最初に決めるのが調査対象となる物件の「商圏」。商圏は自社店舗を中心とした距離でおおよその範囲を定めていくのですが、その商圏にはさまざまな種類や考え方が存在します。 商圏調査によって分かるデ...

業種その1:飲食店の想定ターゲットと商圏距離


飲食店は都心・郊外を問わず、多く出店されている業種です。

やや飽和状態にある飲食店市場において競合との差をつけるには、商圏距離を正確に設定して顧客を囲い込まなければなりません。
飲食店を利用するターゲット層と商圏距離をチェックして、自店舗の商圏分析に活用しましょう。

飲食店の想定ターゲット層

飲食店のジャンルはとても幅広く、それぞれ異なったターゲット層を意識しなければなりません。

店舗で提供する食事のジャンルだけではなくコンセプトでもさらに細分化されるため、自店舗のコンセプトをはっきりさせてからターゲット層を定めていきましょう。
一般的な飲食店の想定ターゲット層を記載するので、分析の参考にしてください。
ただし、これらの例は店舗の立地でも変わってくるので、上手くアレンジして自社にあった設定を見極めましょう。

業種ターゲット層概要 / 目的
喫茶店1 比較的裕福な中高年の男女など
2 ファミリー世帯の女性など
1-1 家以外でのくつろぎの場として
2-1 女子会、ママ会
ファストフード1 10代後半~20代後半の若者 
(地域特性による)など
2 学生など
1-1 待ち合わせ
2-1 友達同士での勉強会
2-2 学校や部活の帰りに
ファミリーレストラン1 子供がいる世帯など
2 ランチタイムのビジネスマンなど
3 学生など(地域特性による)など
1-1 家族利用、土日の外食など
2-1 ランチタイムのショート利用
3-1 学校や部活の帰りに
居酒屋1 社会人
2 学生集団
1-1 仕事帰りに
1-2 接待、会食など
2-1 飲み会など

飲食店の商圏距離

飲食店における商圏距離の目安は「徒歩15分程度」といわれています。

顧客は空腹状態で店舗に訪れることが多く、移動距離が長すぎると来店意欲を失う可能性があります。
また、ランチタイムに飲食店を利用する顧客は、限られた時間で移動して食事と休憩を済ませなければならないため、最も面倒な「移動時間」を削減しようとする傾向があります。

店舗出店の際には、ビジネス街では駅や住宅地などターゲット層のスタート地点から自店舗への移動時間を意識しましょう。

業種その2:フィットネスクラブの想定ターゲットと商圏距離


次に解説するのは、フィットネスクラブの想定ターゲットと商圏距離です。フィットネスクラブは商品ではなく、運動できる環境(サービス)を提供する業種です。
特殊性が高いように感じられますが、基本的な商圏距離の考え方を当てはめれば適切な設定がおこなえるでしょう。
今回は、近年出店数が増えている24時間フィットネスクラブに注目して解説していきます。

フィットネスクラブの想定ターゲット層

24時間自由に利用できるフィットネスジムのターゲット層は「限定された時間しか自由に動けない」という条件を持つ方々です。

例えば平日働くビジネスマンや主婦は、自分の好きな時間にジムへ通うという生活は難しいでしょう。しかし、自由時間の少ない方でも好きな時間に通えるのが24時間フィットネスジムの大きな特徴です。また、スポーツジム全体における顧客の割合は平均年齢が20代から40代、性別は男性が8割程度です。

フィットネスクラブの商圏距離

フィットネスクラブの商圏は比較的近距離となります。
都市部では半径約1キロメートル、郊外でも車で10分以内の立地がおすすめです。

フィットネスクラブ通いは、習慣付けなければ途中で挫折してしまうケースがあります。挫折をしないために顧客はなるべく移動のストレスを感じない、職場や自宅から近い店舗を選びがちです。ただし、店舗の知名度や特徴的な設備などがあればその限りではありません。

利用者は距離や施設の規模・充実度を常に比較して、最も魅力度が高い店舗を選びます。この傾向を計算で表したものが「ハフモデル分析」です。消費者が任意の店舗で買い物をする確率を求める分析手法で、自店舗と競合他社の店舗面積や居住地までの距離をもとに「吸引率」という数値を導き出します。

ハフモデル分析を活用することで、商圏距離の設定を移動距離だけではなく店舗の規模などで測れるようになります。フィットネスクラブのような店舗規模で選ばれやすい業種はハフモデル分析を活用してみましょう。

業種その3:コンビニ・小売店の想定ターゲットと商圏距離


出店数が飽和状態にあるコンビニや小売店は、ターゲット層と商圏距離が経営に大きな影響を与えます。
常に競合との戦いが待っていると考えて、より多くの利用者を自店舗に呼び込める商圏分析をおこないましょう。

コンビニや小売店の想定ターゲット層

コンビニやスーパーマーケットなどの小売店のターゲット層は、ビジネスマンや学生・子供・主婦層など多岐にわたります。

日用品や食品を扱う「困ったときに行ける場所」だからこそ、それぞれのニーズを明確に捉えて役立つ店舗であり続けることが重要です。
例えばビジネス街のオフィスビルにテナント出店しているコンビニと、住宅地の中で出店しているコンビニでは想定ターゲット層は全く異なります。コンビニや小売店の商圏分析では、自店舗を利用する人を分析し、地域の特性やそこで暮らす人々のライフスタイルを細かく洞察しましょう。

コンビニや小売店の商圏距離

コンビニや小売店などは出店数が非常に多く、特に都心部においては「競合と商圏が重ならない場所を探すほうが難しい」というレベルだと考えましょう。

厳しい状況下で出店する際に大切なのは、徒歩5分圏内の足元商圏です。自店舗周辺で暮らす人々のニーズを理解し、利便性が高い店舗を作ることで確実な来店利用が見込めるようになります。
新たに店舗を出店する場合も、よりアクセスが良い場所であることはもちろん「足元商圏」の人口数を意識することで目標顧客数を確保しやすくなるでしょう。

業種その4:書店や貴金属ブランド・カー用品・冠婚葬祭などの専門店の想定ターゲットと商圏距離


専門店とは、書店や貴金属ブランド・カー用品・冠婚葬祭関連など、特定の商品やサービスを提供する店を指します。希少性が高く利用シーンが限られる専門店では、他の小売店とは異なった考え方で商圏分析をする必要があります。
まずは想定ターゲット層と商圏距離の目安をチェックして、適切な分析をおこなえるようになりましょう。

専門店の想定ターゲット層

専門店は扱う商品やサービスによってターゲット層が全く異なるため、自社の提供するブランドの方向性や、それを売り込みたい相手を明確にしてからターゲット層の設定をおこなう必要があります。

例えば同じジュエリー専門店でも、リーズナブルでトレンドを押さえたアイテムを販売しているブランドであれば、想定ターゲット層は「20〜30代の女性、もしくはその交際相手」になります。
一方でハイブランドの結婚指輪が有名なブランドであれば、売り込むべき相手は「結婚適齢期を迎えた男性」に変わるでしょう。

同じ業種であってもセオリーにとらわれず、自社のブランド性と向き合って想定ターゲット層を設定してください。

専門店の商圏距離

専門店は扱う商品やサービスに特殊性があるため、一概に「近ければ良い」「アクセスしやすい方が良い」とは断言できません。
もちろん来店しやすいなら、それに越したことはありません。しかし顧客の目的は専門店が扱っている商品やサービスであるため、多少アクセスが不便であっても来店する可能性は十分にあります。
店舗で扱う商品の特性に合わせて、二次商圏・三次商圏の潜在顧客に対しても意識を向けてマーケティングをおこないましょう。
なお、商品やサービスの希少性が高ければ高いほど商圏範囲も広くなる傾向にあります。

まとめ:誰がどこから来店するかで商圏距離は変わる

商圏距離は、ただ店舗と住宅地や駅との距離だけを測って設定するものではありません。
自分が出店したい地域にどんな人物が住んでいるのか、店舗に来てほしいターゲットは誰なのかを明確にして出店箇所や商圏距離を決めるのです。

まずは地域の調査・データ分析を詳細におこない、ニーズや特性を洞察した上で商圏距離を設定していきましょう。

またツールを用いて商圏距離を分析することで、統計データや推計データを使った根拠ある商圏距離を設定できるようになるでしょう。商圏分析、また商圏距離の設定を行う場合には、ぜひツールを使って効率的、かつ効果的な商圏分析を実現させましょう。

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