商圏には種類がある!特徴を知って商圏設定の精度を高めよう

エリアマーケティング
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エリアマーケティングの一環として、商圏調査のときに最初に決めるのが調査対象となる物件の「商圏」。商圏は自社店舗を中心とした距離でおおよその範囲を定めていくのですが、その商圏にはさまざまな種類や考え方が存在します。
商圏調査によって分かるデータは経営状況を左右する重要なものなので、まずは商圏の種類や特徴を知って、分析の精度を高めていきましょう。

こちらでは、商圏にどのような種類があるのか、またその距離や概念がどのようになっているのかを解説していていきます。

商圏には「実商圏」と「想定商圏」がある

商圏とは、主に店舗や商業施設を中心にターゲットとなる消費者がいる範囲、商取引を行う地理的範囲のこと。
商圏を作成する際は、

  • 自社店舗から半径○○kmの円形
  • 移動時間〇分

などの距離や時間で作成します。またその商圏は、線路や幹線道路など障害物などの地理によって形を変えていきます。

商圏は調査のアプローチ方法によって2種類のくくり方があります。
まず、既存店において実際に来店する顧客のデータを集計して作る「実商圏」です。
利用者から直接データが集められるので、根拠・実績をもとにした商圏を設定できます。

もう一つが店舗の出店や移転などオープン前や仮設をもとに設定する「想定商圏」です。
想定商圏は「主体商圏」や「仮説商圏」とも呼ばれ、主に地図上や人口、世帯数などの詳細なエリアデータを基に作成します。

商圏調査のときに知っておきたい想定商圏の種類と役割


予測とデータ分析で作成する「想定商圏」には、距離によって決められた小分類の意味合いを持つ商圏が存在します。実商圏の場合は顧客からのデータを基に作成できる商圏ですが、想定商圏の場合は分類をよく把握し自社店舗の業種に合った範囲設定をおこなうことが重要です。まずはそれぞれの商圏範囲について、どんなくくりで決められているのかをチェックしましょう。

一次商圏~三次商圏は顧客の来店確率で決まる

商圏には一次商圏から三次商圏まで分けるケースが多くなっています。

一次商圏

「一次商圏」は、商圏範囲の中で最も利用者の来店率が高い範囲であり、一般的には自社店舗から徒歩10分~15分程度の範囲のこと。距離にして半径約1km前後をイメージしましょう。
この範囲内の利用者はほぼ毎日自社店舗に来店する可能性があります。一次商圏内のターゲットをより多く抱え込むことは、店舗経営にとって外せない重要項目です。

二次商圏

「二次商圏」は一次商圏の外側にある商圏で、自社店舗を中心に半径3㎞程度となります。
自転車で15分以内と考えれば分かりやすいでしょう。
ただし商圏が広がった分、幹線道路や河川などの障害物や競合店の位置によって形が変わりやすい商圏でもあります。

三次商圏

「三次商圏」は二次商圏よりもさらに外側に設定される商圏です。
利用者の来店頻度は月に数回程度で、徒歩や自転車で移動する利用者はほとんどいません。車で30分~40分程度かかる距離が目安となります。

業種によって変動する商圏

商圏は業種によって重要視するべきポイントや実際の半径距離が変わります。

例えば社会人をターゲットにしたランチレストランであれば、最も重要視するべき商圏は昼休みに徒歩で移動できる「一次商圏」でしょう。一方、結婚式場やイベント会場など1人当たりの使用頻度が高くない業種の場合は「三次商圏」まで経営戦略に含めた広い範囲での顧客獲得が望まれます。自社の業種と商圏を比較して、どこまでの商圏距離を設定すべきかを見極めましょう。

コロナウイルスによって重要性が高まった「足元商圏」

新型コロナウイルスの流行によって重要度が高まった商圏が「足元商圏」です。
足元商圏とは、自社店舗へ徒歩5分程度で来店できる超近距離商圏を指しており、
従来はコンビニなどの利便性に特化した業種で重要視されていました。

しかし、新型コロナウイルスの流行によって外出自粛の動きが強まり、消費者の多くが「電車での移動」や「人ごみ」を避けるようになっています。結果、消費者の中で自宅により近く、徒歩で通える店舗を好む傾向が強まっているのです。

今後、「足元商圏」が業績の向上に影響する業種はコンビニやスーパー、ドラッグストアなどの日用品小売店や都市部の飲食店などです。特に都内の飲食店は感染リスクと自粛営業要請によって業績の低下が顕在化しています。
コロナの影響で変化した世の中の新しい生活様式に合わせて、足元商圏での顧客獲得を目指すことが重要となるでしょう。

病院やクリニックの開業には「診察圏」が使われる


一般店舗以外でも、独自に商圏のような範囲を設定して経営している業種があります。
その代表的な業種が病院やクリニック関連施設です。

医療機関では商圏ではなく、「診察圏」という範囲設定を基に経営戦略や新店開発がおこなわれます。一般的に医療機関の患者が無理なく通える範囲というのは半径0.5km程度とされ、これが「一次診察圏」となります。さらに専門医や有名医師の口コミが加わると範囲は1km程度まで拡大し「二次診察圏」となります。

一般企業ではそれほど使われる考え方ではありませんが、この診察圏を意識することで、医療機関を訪れる患者の流れを見てターゲットにするなど、別の視点で計画を立てられるでしょう。

まとめ:商圏の種類を把握して商圏分析に活用しよう

商圏と一口にいっても、その種類はとても幅広いものです。実際に営業をおこなっている既存店であれば、自社の顧客データを分析し実商圏を設定できますが、新店を出す時にはデータ上で設定した「想定商圏」を基に経営戦略を立てていかなければなりません。

ツールや商圏分析のコンサルティングサービスを利用していたとしても、基本的な軸となる商圏調査の分析が間違っていれば、その後の売上、ひいては自店の経営が伸び悩む恐れもあります。
商圏を設定する時には、それぞれの商圏を分析したデータがもたらす意味や効果をよく理解したうえで、自社店舗に合った商圏を定めていきましょう。

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