小売店の開業に必要な準備とは?事前準備の流れと必要な資格を解説

店舗開発
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「自分のお店を持つのが夢」「仕事で培った知識を生かして自分のお店を出したい」など、小売店の開業を考えている方も多いでしょう。小売店の開業を検討するときには、どのような準備が必要なのか、資金はどれくらい確保するべきかといった不安や疑問が出てくるものです。

この記事では小売店の開業に必要な準備や資格について詳しく解説します。

小売業開業の一般的な流れとは?


まず、小売店開業の大まかな流れを抑えてから必要な準備に取り掛かりましょう。

小売店の開業を決断したときに最初にすべきことは、どのように店舗を運営していくのかを明示する「事業計画書」の作成です。事業計画書は資金繰りを安定させるときや店舗戦略を立てるときに役立ちます。開業する際に国や自治体などの補助金・助成金、金融機関の融資を受ける場合は審査に通らなければなりません。審査には事業計画書の提出が必須です。

事業計画書には、

  • 事業目的
  • 開業に必要な資金と調達手段
  • 今後3~5年の収支予測

といった項目を盛り込み、自店舗の経営や資金繰りについて詳しく説明できる内容で作成することが大切です。

開業に必要な資金を自己資金だけで賄えない場合は「金融機関から資金を調達する」「国や自治体が給付している補助金や助成金を活用する」という方法があります。受給要件を満たしているときは基本的に返済義務のない補助金や助成金を活用し、不足分を金融機関の融資で補うのが理想です。

実店舗での開業を検討している場合は物件探しを進めます。自店舗に必要な条件を明確にして物件を選び、実際に見学したうえで決めることをおすすめします。

開業までにおこなう6つのステップ


開業に必要なことを、6つのステップに分けて詳しく解説していきます。

開業までのステップ1:出店地を決めてエリアを分析する

集客や売上につながる地域密着型のビジネスをするためには、エリアマーケティングが必要です。
出店地が決まったら、以下の方法で商圏分析をおこないましょう。

  • 時間帯や曜日を変え、天候の違う日にも通行量を調査する
  • 出店地の周辺道路や公共交通機関などのアクセス状況を確認する
  • 出店地が将来的に発展するか、衰退するかといった地域開発の動向を調査する
  • どのような層の人々がいるかを知るために通行人を観察する
  • 人口調査には公的資料やデータ会社の販売している資料などを活用する

開業までのステップ2:物件の賃貸契約をおこなう

家賃・立地・建物の規模といった条件に合う物件が決まったら、賃貸契約の手続きをおこないます。
物件の賃貸契約は以下の流れで進みます。

  1. 不動産会社へ入居申込書を提出(審査の前に手付金や預り金を支払う場合もある)
  2. 入居審査(1週間程度:審査に落ちる可能性もある)
  3. 重要事項説明書と賃貸借契約書を確認して署名・捺印

店舗の設備や什器がそのまま残っている「居抜き物件」を借りる場合には、店舗オーナーとの賃貸借契約以外に、以前の事業主など内部造作の所有権を持つ相手と造作買取契約を結ばなければなりません。

物件を借りた後には改装工事をおこなうため、契約前に工事や営業上の条件を含む付帯契約について十分に確認しておきましょう。物件契約時には、共益費や前払い家賃を含めて家賃の約6カ月~1年分、居抜き物件の場合は造作譲渡代金などがかかります。

開業までのステップ3:店舗のコンセプトやターゲットを定める

商圏分析で明らかになった出店地域や地域住民の特性を基に、店舗のコンセプトやターゲットを決めていきます。

  • 高くても質の良い商品をシニア層中心に売りたい
  • 安いビッグサイズの食品をファミリー層に販売したい
  • 閑静な住宅街だから落ちついた色調に統一して、店内BGMも控えめにしよう

このように、地域性やターゲットに合わせたコンセプトをできるだけ具体的に考えましょう。

開業までのステップ4:内装外装の工事や什器の準備

店舗をコンセプトに合わせて造りかえるためにおこなうのが内外装工事です。内装工事には設備工事をはじめ、間取りを変更する造作工事、床・天井・店内の不用品を撤去する解体工事などが含まれます。看板の取付や外壁工事は外装工事です。

建設事務所や設計事務所にデザインを依頼する際は店舗の図面を用意し、詳細なコンセプト・イメージ・予算を伝えてプランと見積を出してもらいましょう。

また、小売店に必要な什器や制服も準備しましょう。
什器とは店舗で使う道具のことを指し、例えばレジを置く台や商品陳列棚・ショーケース・ワゴンなどが什器にあたります。什器には、商品を引き立てるデザインで安全に使える物を選びましょう。開業に必要な什器を一括で調達できる通販サイトを利用するのも、効率よく準備を進めるための手段です。

5:取り扱い商品や価格を定めて仕入れる

店舗で取り扱う商品や価格を決定して、仕入先を選びます。仕入先は良質な商品を扱っている問屋や、物流機能・情報提供に優れている卸売を選びましょう。仕入先を探すには、商工会議所や銀行などの経営相談所に相談して紹介を受ける、メーカー・問屋組合に問い合わせる、ネットで検索するといった方法があります。安定して商品を仕入れるためにも、一ヵ所ではなく複数の仕入先を決めておきましょう。

開業資金に余裕があるなら、売上管理システムを導入しておくのもおすすめです。売上と商品の在庫数を連動させたシステムを備えていれば、仕入数の調整にも便利です。

開業までのステップ6:店舗のオペレーションを構築する

必要な人員を整理し、効率よい店舗経営をおこなうためにも、実務に直結するオペレーションマニュアルを作成しましょう。小売店の場合は「接客マニュアル」「在庫管理マニュアル」「商品陳列マニュアル」などが考えられます。

事業主自らオペレーションマニュアルの作成も可能ですが、標準化・効率化に関するノウハウについては、実際に事業をスタートしてみなければ分からない点も多いでしょう。すでに効率化が取り入れられたマニュアルを専門のコンサルタントに依頼するのもおすすめです。

小売店開業で必要な資格


基本的に、どの業種でも開業する際は税務署に「開廃業届出書」の提出をしなければなりません。所得税を軽減させるには「青色申告承認申請書」による申請を同時にしておくとよいでしょう。従業員を雇わない個人事業主でも、国民健康保険や国民年金、40歳以上の場合は介護保険に加入する必要があります。

小売店で販売する商品によって必要な営業許可や免許が違うため、確認しておきましょう。

  • 食料品等販売業の営業許可(保健所:都道府県知事)
    →弁当類・惣菜類・乳製品・食肉製品・魚介類加工品など、調理加工をせずに直接食べられる食品を販売する場合
  • 古物商許可(警察署:都道府県公安委員会)
    →リサイクルショップや古本屋のように、中古品の売買をおこなう場合
  • 一般酒類小売業免許(税務署:税務署長)
    →主に店舗で消費者や酒場・料理店で酒類を扱う接客業者に酒類を販売する場合(ネット・通販は不可)

自社で販売する商品に応じた販売許可や免許などは忘れずに取りましょう。免許の取得までに2カ月程度かかる場合もあります。申請書類に不備がないよう注意しましょう。

まとめ:小売店開業の準備は漏れが無いように確認しよう

小売店の開業時には事業計画書の作成や物件探し、開業に必要な費用の計算、資金調達などやるべきことが多々出てきます。どのステップも必要な準備であり、漏れがあるとスムーズに開業できなくなります。自店舗で扱う商品の販売に必要な営業許可や免許といった資格もしっかりと確認して、開業準備を進めていきましょう。

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